くもへび「連載ブログ」


■ 第一話〜天界人〜その4 2006.09.05 Tuesday 12:59
あれから一夜が明けた。
凜がベッドから起き出す頃には、もう母は仕事へ出かけて居ない。

凜は、あの天界人だという男の事が、ずっと頭から離れないでいた。
金色の髪に、青い瞳。真っ白く大きな翼…。まるで天使のような容姿だ。
天使というのは、実は天界人なのだろうか、と凜は思った。
と、言うことは、空の上は天国?
もしかしたらあの男は、死人を迎えに来ているのかも知れない!
凜の頭の中には「フランダースの犬」の最後のシーンが思い浮かぶ。

しかし、「自分の姿が見られたから殺す」と言った割には、「殺さなくて済む方法もある」と言う。
どうすべきなのか全く分からないまま男は消えてしまったので、凜にはなすすべが無い。
そりゃあ、誰だって死ななくて良い方法を選ぶのだけど…。


凜は簡単に朝食を済ませると、家を出た。
道路まで出た所で振り返り、自宅を見上げると、自分の部屋のベランダのガラスが見事に粉々になっているのが見える。
寝ているところを起こされ、ベランダのガラス戸は割られ、その上殺すとまで言われた事を、改めて考えると不公平きわまりない。
くるりと、そっぽを向くように向きを変えて凜は、スタスタと早足で学校へ向かった。


教室へ入ると、なにやら騒がしかった。
さきの机の周りに、人だかりが出来ている。
不思議に思い凜が近づくと、中から泣き声が聞こえた。
「さき!?どうしたの?」
人の隙間に割り込み、凜はさきの机の目の前に立った。
さきは凜に気付いたようで、顔を覆っていた両手を少し下ろし、涙でびっしょり濡れた顔を上げた。
「凜……凜っ」
しゃくり上げながらそう言うと、凜の顔を見て再びさきは涙を流した。
「ねぇさき、どうしたの?話して?」
凜はさきの肩に優しく両手を置いた。
「二人だけで、…話したいの」


二人は学校の屋上へ続く階段の、最上階の踊り場で腰を下ろした。
少し落ち着いたようで、さきは一つため息をついてから、口を開いた。
「ダーリンが……。死んだの」
「えっ!?」
あまりに唐突な話に、凜はそれ以上言葉が出ない。
「今朝ダーリンのお母さんから電話がかかってきてね……。朝起きてこないから見に行ったら……うっ…うぅ」
そう言って再びさきは泣き出した。
苦しそうに話すさきを見て、凜は何て言葉をかけたら良いのかさえ考えられなかった。
「ただ…」
ふ、と思い立ったようにさきが顔を上げる。
「ただ、昨日ダーリンから電話があってね。昨日の夜に『天界人』を見たって言ってたのよ」
「天界人…!」
凜の脳裏にあの男の言葉が浮かんだ。
『天界人ってのは、自分の姿を人間に見られちゃいけないんだよ。もし見られたら…』
つまり、さきのダーリンは、天界人を見たから殺されたのではないだろうか。
凜はスックと立ち上がった。
「さき、私も天界人見たのよ!」
「え…?」
さきは驚いて凜を見上げた。
その顔には半信半疑の様子がうかがえたが、自分の彼氏の話もあってか、複雑な表情をしていた。

「昨日の夜、私の家に飛び込んできたのよ、変な男が。髪は金髪で、目は青くて、たぶん私たちと同じくらいの歳」
凜は興奮して一気に話す。
「それで、その男、勝手に入ってきておいて、私に姿を見られたから私を殺すとか言い出したのよっ!きっとあの男にさきのダーリンは…」
今朝までの感覚と変わって凜は、恐怖心が怒りへと変わっていた。
「凜…そ、それ本当の話?」
凜の様子に驚いて、さきは少し戸惑うように言った。
「うん、本当よ。三日後までに答えを出せって言ったからきっと三日後にまた現れるはず…。そうしたら私たちで捕まえましょうよ!許さないんだから!」
凜はもうこぶしまで握りしめて力一杯言い放った。
そんな凜を見ながら、さきはすっかり唖然としていた。

次に男が現れるまで。あと2日。
コメント
翔 2006/09/05 1:07 PM
なんだか淡々と話が進んで行きます^^;
本当はもっと情景とか詳しく綺麗に表現出来たら素敵だろうなぁ…なんて思うのだけど
そこまで才能ありません(笑)

まぁあの、小学生の頃に読んだような、あんな簡単な読み物だと思ってください(笑)

大体2日に1回のペースで更新してます。
というのは、1回のお昼休みの時間に打つ量だとちょっと少なすぎるからなので^^;
一日目打つ→保存→2日目打つ→更新
って感じですねぇ…
基本的に会社の昼休み更新なので、休み中はあまり更新望めません^^;

早く他のキャラクターも出したいよー(笑)
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