くもへび「連載ブログ」


■ 第一話〜天界人〜その1 2006.08.28 Monday 12:47
学校の授業なんて、殆ど頭に入ってはいない。
凜は、授業中もボーッとすることが多かった。
もちろん勉強はしてるつもりなのだが、気がつくと外を眺めていたりして…。
だから決して頭が良いとは言えなかったが、テスト勉強はそれなりに頑張ってもいるので、悪いワケでは無かった。

今日も一人で下校。
さきは、凜の家とは反対方向だったので一緒に帰ることが出来ない。
日が延びてきているせいで、まだ空は明るいが、気温はそれほど高くは無い。

ふと、凜は空を見上げた。
今、世の中を騒がせている異世界の話。天界人との恋愛をえがいた小説のことが、凜の頭をよぎった。
『異世界の人なんて…本当に居るとしたらもっと沢山誰かが見てるはずじゃない』
何故か少し苛立ちを感じそう思うと、表情を歪めながら視線を進行方向へ戻した。
サッカーボールを抱えた男の子達が、足を止めている凜の目の前を横切って、公園に入っていった。


もし異世界の人と友達になれたら、どうだろう。
でもテレビ番組なんかで特集してる、あんな変な外見の人だったらちょっと無理だな…。
勝手に想像して、少し可笑しくなって笑いそうになったが、凜は我に返り、自分が変な顔をしていたような気がしてキョロキョロした。
「バサバサ!」
突然大きな翼が羽ばたく音が聞こえた。
「えっ?」
凜は思わず空を見上げる。
しかし見えたのは、数匹いっぺんに飛び立った鳩の群れだった。
「…考え過ぎね」
凜は、驚きと期待で胸が高鳴った事が、ちょっとはずかしくなって、小走りで家へと向かっていった。
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